生類の皆様へ

ゲームと百合の話

ラスボスのふるまい

長い旅の終わりを告げる、最後に立ちはだかる者……それがラスボス。まさにクライマックス。物語を終わらせ、スタッフロールへとつなげるその戦いは、ゲームでも特に重要な要素。制作側には、持てる力の限りを尽くしてラスボスと雌雄を決する瞬間を、激アツに演出する義務があると言ってもいい。

RPGパーティ問題

RPGとかをやっていると、物語の中で仲間と出会い、旅路を共にすることになる。大体7~8人ぐらいが相場だろうか。戦力が増えていくのだからどんどん戦いが楽になる気もするが、そうは問屋が卸さない。システム上大抵の場合、実際に戦闘に出せるのは3~4人というわけだ。これもRPGのスタンダードだろう。状況に合わせて、どのキャラクターでパーティーを組むかを考えるのもRPGの醍醐味である。ちなみに私は控えメンバーにもちゃんと経験値が入ってほしいタイプの人間である。閑話休題、こうして旅を続けていくと、いずれラスボスに行きつく。ここからが本題。ラスボスを前に主人公一行は全員思いの丈を述べる。うおおお激アツ。そうして戦いが始まるわけだが、やっぱり戦闘に出てくるのは3~4人な訳である。

とにもかくにも、折角のラスボスなんだから、全員で力を合わせて戦ってる描写が欲しいのだ。ラスボス戦で控えになってしまったキャラのことを考えると、寂寥の風が胸をゆする。とは言ってもそこだけバトルシステムを変えるわけにもいくまい。こいつは一体どうすればいいのだろう。

一騎打ち

よくラスボスで見るのが、一対一のイベント戦。ラスボスとの闘いが終わった後に、覚醒したり、力を受け取ったり、道連れにされそうになったり、とにかく何かしらのイベントが起きて、ラスボスと主人公がタイマンを張ることになる。一対一では戦略もなにもないので、大抵はほぼイベント戦みたいなものである。これの良いところは、ラスボスの真のクライマックスを主人公一人へスポットして、控えになってしまったキャラのことをうやむやにできるところだ。終わった後にすっきりとエンディングを迎えられる。最近だと『イース9』が印象に残っている。ラスボス後、謎空間でかつての仲間の声を聞きながら謎球体を叩き続ける時間で、物語の軌道を「アドルの物語」に曲げてきた。すごい力技である。

四天王的ななにか

別に良いんだけど、私は総力戦が好きなので仲間全員での戦いで最後を迎えたいのだ。たまに見かけるのが、ラスボスの前座として四天王的な何かが置かれている場合である。これで、最終的にパーティ全員を使うような例えば方向に持っていければ、かなり全員で戦っている感が出て激アツだ。それぞれ仲間の因縁の相手とかだとなお良い。『ゼノギアス』とか良かった。ラスボスを取り巻く四天王的なのは、倒さなくてもいいが、倒すとラスボスが弱体化する。ラスボスも強敵なので倒しておきたいが、四天王もそれなりに強く連戦で回復不能なので、大体はパーティを入れ替えながら倒していくことになる。総力戦感、イイネ!ただこれ、それを前提のゲームバランスにすると、控えのレベル上げをしてなかった時詰むことがありそうだ。ままならぬものだなあ。

 

結局、イェスパー・ユールの言葉を借りるなら”虚構世界”と”ルール”の兼ね合いな訳だ。ストーリー演出に実際のゲーム体験の部分が負けてはいけない。これからも理想のラスボス戦を求めて私は戦い続けるのだ。他に好きなラスボス戦演出。旅で出会った人が助けに来る奴。クエストで助けた人が助けに来るのはもっと好き。情けは人の為ならず。やっぱり総力戦が好きなんですね。